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園づくりの技⑤
【伝達と共有】「リクエスト」伝達術

2023.07.03

理想の保育の実現に不可欠なもの、それはチームワーク。
職員一人一人がよさを発揮できる園を目指して、チームづくりに役立つ“技”を梅花師匠が伝授します!

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どうなってほしいかを伝える

 同僚や後輩がやっていることに対して、「それはどうかなあ……」と感じたときに、どうすれば角が立たずに伝えることができるでしょうか。今回は、注意や指摘をするのではなく、相手が気持ちよく受け入れてくれるよう「リクエスト」するスキルを伝授するわよ。
 例えば保育中、声が大きい先生がいるとするでしょ。そんなとき、「先生、声が大きいから小さくしてください!」と言ったら、相手にとってはトゲのある批判に聞こえちゃう。それだと相手には不快感が残るだけ。
 でも例えば、「いつも、先生の元気な雰囲気がクラスを明るくしていてステキ! ただ、実は……、子どもたちがあそびに集中してるときに先生の元気な声で、びっくりしている子が……。少しボリュームを下げていただけると、もっとあそび込めるかも?」って、言ったらどうかしら。「本当?! これからは気をつけるね!」となるはず。 ダメ出しをするのではなくて、「何のために」「どうなってほしいのか」を伝えることで、こちらのリクエストも前向きに伝わるはずよ。

この技は、こう使え!
目的とセットでリクエスト

 相手に物事をお願いするときって、「どう言おうか」ばかりにとらわれがちだけど、大事なのは「何のために言うのか」なの。そこを押さえた上でリクエストすること。ただ「これやってください」と言うのではなく、「このあと散歩に行くので、これとこれをお願いできますか?」と、なぜやってほしいのか、その目的をちゃんと伝えると、相手も快くやってくれるものよ。
 同じ目的に向かっている仲間という前提を忘れずに、どう動くのがいいかを一緒に考え、「じゃあ、そのためにはこうしたらいいね」とリクエストする。それは、注意や指摘で相手を動かそうとするのとはまったく異なる次元なのよ。

技を使いこなすコツく
一呼吸おいて伝える

 元気なときは、相手に対しても穏やかな気分で伝えられるけど、忙しいときや体の調子が悪いときは、ついキツイ言い方になりがちよね? それだと、いくらリクエストの形にしても、嫌な感情だけが伝わって、相手は「否定されてる?」と思ってしまいがち。誰かに何かを伝えるときは、一呼吸置くか、無理にすぐ伝えようとせず、自分のコンディションを見て調子の良いときを選ぶのも大事よ。
 つい反射的に口を滑らせてしまう人は、自分の伝え方を振り返る癖をつけることね。「ああ言っちゃったけど、こう言えば相手に嫌な思いをさせなかったんじゃないか」って考えてみる。その気づきが次につながるの。

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指導:松原美里

保育コミュニケーション協会代表

保育園、児童養護施設で保育者として勤務。元認定こども園エクレス保育園部施設長。コーチング、心理学等を学び、現在は保育者の人間関係・育成・リーダーシップ・マネジメント研修を担当。

イラスト:えのきのこ

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