園づくりの技⑧
【チーム力の強化】リフレーミング
2023.10.02
理想の保育の実現に不可欠なもの、それはチームワーク。
職員一人一人がよさを発揮できる園を目指して、チームづくりに役立つ“技”を梅花師匠が伝授します!
ネガティブ思考から
脱却して捉え直し!
失敗したり叱責されたりすると、ガーンとなってそう簡単にリフレーミングできないもの。
実は、落ち込んだり自分を責めたりしている間は、問題から目を逸らしている状態。そこから抜け出そうとあがくよりも、ここはあえて、ネガティブな感情を吐き出しましょう。
例えば、自分の思いを声に出したり、紙に書き出したり。でも一番いいのは、自分の失敗や負の感情を誰かに話してみること。そうすることでクールダウンでき、やがて事態を客観視して、問題点を整理できるはず。
話を聞く方は、アドバイスをしようとしないこと。相手に寄り添って、本人が自己治癒力を発揮するのを待ちましょう。
技を使いこなすコツ
「失敗や負の感情を口に出す
事実は一つでも、その捉え方は人それぞれ。10人いれば10人の考えがあるんだから、遠慮せずに自分の考えを言ってOK。
ただし、話し合いの場で、自分の意見に固執するのはNGよ。「意見」と「自分」を切り離すことが大事なの。あなたが出した意見は、多くの意見の中の一つにすぎない。批判されたり否定されたりしても、「みんなで検討するための材料」と捉えて、批判されたのはあくまでも意見だと考えましょう。だから、どんな意見でも恥ずかしがらずに出していい。もしも「正論以外は受け付けない!」という雰囲気なら、そもそも話し合いの場として成立していないのも同然よ。
こんなときにも効く
保護者とのトラブルにも
保護者とのトラブルって、精神的な負担が大きいわね。そんなときこそ、リフレーミング!
例えば保護者から強い言葉で叱責されても、怖がらず「気づかなかったことを『見える化』して課題を示してくれている」と捉え直してみましょう。すると、その言葉の奥にある大事なことに気づけるかもしれません。
そこから、園の取り組みを見直し、新たな方針や目標を立てて保護者全体と共有すれば、トラブル当事者の保護者だって、ただ謝られるよりも、納得がいくはず。保護者と園の結束がより強まることにもつながるわ。
厳しい保護者こそ、園をよく見てくれる存在。恐れたり避けたりするのはもったいないわ。
指導:松原美里
保育コミュニケーション協会代表
保育園、児童養護施設で保育者として勤務。元認定こども園エクレス保育園部施設長。コーチング、心理学等を学び、現在は保育者の人間関係・育成・リーダーシップ・マネジメント研修を担当。
イラスト:えのきのこ