保育者お悩み相談室⑤
【言葉がきつい職員に、どう注意したらよいですか。】
2024.07.02
悩みをこじらせる保育者に、保育コミュニケーションのスペシャリストであるみさと先生が、3つの処方箋をお出しします!
【お悩み⑤】
言葉がきつい職員に、どう注意したらよいですか。
4歳児クラスの担任をしています。もう1人の担任はベテラン職員ですが、言葉がきついことがあり、たまに子どもが泣いてしまうことも……。でも、本人は自覚していない様子。どのように伝えると、直してくれるでしょうか。
(相談者 はるかさん・保育歴5年・宮城県)
【みさと先生の処方箋A】
相手の思いを知るところから始める
気になる行動を直してもらうために、相手に「どう伝えるか」考えてしまいますね。しかし、どれだけ言い方を工夫しても、受け止め合える関係が築けていなければ相手は不快に感じてしまうでしょう。まずは、自分の「こうあるべき」という思いにとらわれず、相手の行動の真意を知ることが大切。注意ではなく、なぜそうするのか、相手の思いを知るところから始めましょう。
【みさと先生の処方箋B】
コミュニケーションを積み重ねる
まずは、互いの保育への考えや思いを日々伝え合うことを意識しましょう。例えば、相手がきつい言葉を使うのを目にしたら、何が起こったのかを聞いて、相手に見えている景色を確認する。すると、相手が伝えたかった本来の意図を知ることができます。同時に、あなたの保育に対する思いも日々伝えることで、相互理解が深まり、信頼が生まれます。
【みさと先生の処方箋C】
チームでできることを考える
相手の行動の背景にある思いを知るうちに、子どもを真ん中に置いた理想の保育も見えてきます。チームでどう動けば、その共通の理想に近づけるか話し合いましょう。すると、相手がきつい言葉を発しても、その真意を知るあなたがうまくフォローできたり、あなたの思いを知った相手の行動も、理想に向けて変化したりして、チームとして機能するようになります。
これだけはNGです。
相手との信頼関係が築けていないのに、自分の価値観を押し付けるのはNG。人は、さほど親しくない相手に真っ向から注意されると、自分自身を否定された気がして傷つき、心を閉ざしてしまいます。まずは、本音を語り合える関係づくりを目指しましょう。
ちょっとTRY!
チームワークの構築に求められるのは、丁々発止とやり合い、ぶつかることではなく、「腹を割って話す」こと。自分の思いをきちんと伝え、相手の本心を知り(共感できなくてもOK)、その上で、どうすれば同じゴールに向かって進めるかを刷り合わせる、その繰り返しが強固な絆をつくります。相手や自分の「欠点を修正する」のではなく、「どうしたらチームとしてうまく動けるか」を考えることが、よりよいチームを築くポイントです。