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保育者お悩み相談室⑥
【気軽に質問できない職場の雰囲気がつらいです。】

2024.08.02

悩みをこじらせる保育者に、保育コミュニケーションのスペシャリストであるみさと先生が、3つの処方箋をお出しします!

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【お悩み⑥】
気軽に質問できない職場の雰囲気がつらいです。

 今年度、クラス担任になりました。昨年同じ年齢のクラスの補助をしていたからか「1年やったんだからできるでしょ」という周囲の圧が強く、分からないことを気軽に聞きづらいです。同じ1年でも、補助と担任では経験が全然違うのに……。
(相談者 きょうこさん・保育歴2年・静岡県)

【みさと先生の処方箋A】
質問し続ける勇気をもつ

 質問しづらいと「分からないなんて情けない」と自分を責めてしまいがち。でも、問題なのは気軽に質問できない不親切なシステムです。仕事を「見て覚える」には限度がありますし、分からないことは必ず出てきます。ほかの職員にとって当たり前となっている、このシステムを崩すことは、必ず園のためにもなるので、遠慮せず、質問し続ける勇気をもちましょう。

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【みさと先生の処方箋B】
相手にとっての利点を提示する

 質問する際には、相手が得られる利点も提示するとよいでしょう。例えば、「いま教えていただいたことを、今後の新人教育や引き継ぎに生かせるようにします」と伝えます。すると、この後、何度も同じことを教える必要がないと分かり、丁寧に教えておこうという気になります。教えるのが面倒という職員にも、受け入れてもらいやすいでしょう。

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【みさと先生の処方箋C】
負担をかけない聞き方を工夫する

 質問するタイミングも重要です。忙しい時間は避け、気持ちに余裕がありそうなタイミングを見計らって尋ねてみては? 質問がたくさんある場合は、あらかじめ「どこかで少しお時間をいただけますか」とお願いした上で、事前に質問リストを渡しておくと、相手の負担は少ないはず。教えてもらったら、感謝の気持ちをしっかり伝えることも忘れずに。

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これだけはNGです。

 聞きづらいからと遠慮して質問しないのはNG。互いに助け合えるチームワークは、保育の現場に必須です。あなたが必死に努力して、見よう見まねで仕事ができるようになることは、誰のためにもなりません。あとに続く新人のためにも、いまの流れを変えましょう。

ちょっとTRY!

 「みんなが知っていて当然」という園の“当たり前”を、きちんと言語化して共有することは、新人職員のバーンアウトを防ぎ、ひいては離職率の低下につながります。リーダーは、彼らが何に困っているかを知るためにヒアリングの時間をもつ、職員会議で定期的に悩みや疑問に答えるなど、相談しやすい場を設けるとよいですね。新人からの質問や問題提起が、これまでの業務を見直すきっかけとなり、業務の効率化を図れたという例もあります。

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