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保育者お悩み相談室⑦
【後輩と先輩の間に入っての調整役がしんどいです。】

2024.09.02

悩みをこじらせる保育者に、保育コミュニケーションのスペシャリストであるみさと先生が、3つの処方箋をお出しします!

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【お悩み⑦】
後輩と先輩の間に入っての調整役がしんどいです。

 職員3人で1歳児クラスの担任をしています。同じ担任の2人は意見の衝突が多く、その調整役を任されがちな私。先輩と後輩、双方からの板挟みで、人間関係に疲れてしまいました。どんな心持ちで仕事に臨めばよいでしょうか。
(相談者 ちえさん・保育歴6年・長野県)

【みさと先生の処方箋A】
ファシリテーターの役割に徹する

 板挟みはつらいですね。いま、あなたが苦しいのは、双方の意見を「自分がまとめなくては」と思っているからではないでしょうか。そうではなく、アイディアを引き出して、それを整理して共通の基盤を見出す“ファシリテーター”としての役割に徹するのはどうでしょうか。それぞれが自分で考え、答えを出せるように助けることで、チームがうまく回るはずです。

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【みさと先生の処方箋B】
中立の立場で傾聴する

 ファシリテーターとして双方の意見を聞くときは、主観を挟まず、中立の立場で傾聴しましょう。意見がぶつかり合うのは、それぞれの立場や経験から物事を見ているから。でも、そこであなたが、どちらかが正しい、間違っているといった判断を下すと角が立ち、さらに雰囲気は悪くなります。まずは、どの意見もじっくり聞いて、相手の思いを受け止めましょう。

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【みさと先生の処方箋C】
園全体で目指すゴールを設定する

 次に、「子どもたちにとって、どうなるとよいか」という視点から、クラス全体で目指すゴールを設定しましょう。「そもそも、どんな状態になるのが理想?」など、それぞれがより広い視野で考えられるように対話を重ねると、個々の利害を超えて、共通の理想の姿が次第に見えてきます。そして、その姿に向かって、チームでできることを見つけて動けるようになります。

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これだけはNGです。

 意見の異なる二者の間に入り調整する際は、一方に賛同するような態度はNG。対立が深まり、関係がさらに悪化します。あくまでも中立の立場を崩さずに、どちらかの意見ではなく、全員が納得できる新たな選択肢を見つけるというスタンスで臨みましょう。

ちょっとTRY!

 相手の考えを“引き出す”のは、ファシリテーターの大切な役割。人は、誰かが決めた方針に従うよりも、自分で出した答えに沿って行動する方が意欲が湧くもの。相手が考えを深められるように、「本当はどうしたい?」「どうすれば、そうなれると思う?」など、上手に質問し、導けるとよいですね。さらに、「○○さんならできますよ」といった励ましの声かけで相手のモチベーションを高め、自発的な行動を後押ししましょう。

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