保育者お悩み相談室⑩
【クラス担任2人の相性が悪いです。主任としてどう働きかけたらいい?】
2024.12.02
悩みをこじらせる保育者に、保育コミュニケーションのスペシャリストであるみさと先生が、3つの処方箋をお出しします!
【お悩み⑩】
クラス担任2人の相性が悪いです。主任としてどう働きかけたらいい?
3歳児クラスの担任は、テキパキ行動派とじっくり慎重派の2人。タイプが違う方が互いに補い合えると考えての人事でしたが、2人の相性が悪くギスギスした雰囲気に。主任として2人にどう働きかければ、チームワークがよくなりますか?
(相談者 みわさん・主任歴6年・埼玉県)
【みさと先生の処方箋A】
本来の意図を整理する
なぜ2人を担任に選んだのか、あなたの意図をしっかり説明する必要がありますね。まず、あなたの考えを整理するところから始めましょう。2人それぞれの長所と課題は何か、具体的にどんな点を「補い合える」と考えたのか。なんとなくではなく、この決断に至った意図を言語化することで、あなたの思いを相手により具体的に伝えることができます。
【みさと先生の処方箋B】
期待を添えて伝える
あなたの意図を伝える際は、それぞれに、その人の長所と課題、さらにもう一人の長所と課題を伝え、「互いの課題をこう補い合えるだろう」と、なるべく具体的に説明します。そして、「2人だからこそ、よいクラスにできるはず」という期待も添えましょう。見込まれてこのチームになったと理解できれば、いまの関係性を見直すきっかけになるはずです。
【みさと先生の処方箋C】
「チーム」の意識を高める
次に、チーム意識を高めるために、対話を重ねる機会をもちましょう。どんなクラスにしたいのか、主任のあなたも交えて、共通のゴールや課題について話し合います。互いの考えを率直に話す機会を積極的に設けることで、相互理解が深まり、「一人で頑張らなくても一緒にやればいい」という安心感が生まれます。すると自然に、チーム力が強化されるでしょう。
これだけはNGです。
2人のギスギスした関係をなんとかしたいからと、「もっと仲良くして」「うまくやってちょうだい」などと注意するのはNG。その程度で何とかなるなら、ここまでこじれてはいないはず。ただ見守るのではなく、主任として、関係改善のために積極的に動きましょう。
ちょっとTRY!
保育の場では、「違いは豊かさ」。保育者一人一人が異なる視線で見つめるからこそ、子どもの多面的な姿が浮かび上がってきます。価値観や個性の異なる人が集まることで、保育の可能性が広がっていく。その豊かさを実現するためには、自分の枠にとらわれず、「それもいいですね」という柔軟なマインドで他者を受け入れ、チームで話し合いながら、理想の保育を模索したいものです。難しいですが、ぜひチャレンジしてください!