保育者お悩み相談室⑫
【最近、職員に元気がありません。どうすれば活気ある園に戻れる?】
2025.03.04
悩みをこじらせる保育者に、保育コミュニケーションのスペシャリストであるみさと先生が、3つの処方箋をお出しします!
【お悩み⑫】
最近、職員に元気がありません。どうすれば活気ある園に戻れる?
開園6年目の園です。ふだんの忙しさに加えて、長びくコロナ禍の影響もあるのか、職員に元気がありません。開園当初は皆、目を輝かせて理想の保育を語っていたのに、最近は会議の場も淡々としています。どうすれば職員のやる気を取り戻せますか?
(相談者 あさこさん 園長歴6年・東京都)
【みさと先生の処方箋A】
絆を深める時間をもつ
コロナ禍で業務が増えたり、制限がかかったりして、職員が疲弊しているのかもしれません。こんなときこそ、チーム全員で絆を深める時間をもちましょう。日頃の感謝を伝え合う、うれしいエピソードを共有するなど、一人一人の気持ちを受け止め合う機会を意識的にもつといいですね。職員同士で一緒にほっとできる癒しの時間を過ごしましょう。
【みさと先生の処方箋B】
どうありたいか話し合う
次に、園の目指す方向性を再確認しましょう。園で大事にしてきたことは? この先どんな園にしていきたい? 理想の保育や子どもの姿など、ふだん話す機会の少ないこうした本質的な話題について、思いを伝え合います。コロナ禍で保育環境が大きく変わったいまこそ、改めて園の保育の核になる部分を見つめ、理想の姿を全員で再認識できるチャンスです。
【みさと先生の処方箋C】
未来の計画を立てる
続いて、理想の姿を実現するための中長期的な計画を立てましょう。例えば、5年後にどんな園になっていたいか理想像を思い描き、そこから逆算して、3年後、1年後にどうなるとよいかを考えます。共通のゴールが明確になると、その実現に向けて、職員が当事者として前向きに業務に取り組めるようになります。全員で理想の園をつくっていく体制を整えましょう。
これだけはNGです。
職員から意見が出ないからと、園長が独断で今後の方針を決めるのはNG。かといって、疲弊している職員に「来年度の○○はどうする?」などと意見を求めても、よい案は出にくいもの。まずは癒しの時間をもち、心に余裕ができたところで話し合いましょう。
ちょっとTRY!
園の方向性を話し合う際は、「何をどうするか?」の具体的なアクションの前に「どうなりたいか?」という理想や未来への思いを話す時間をじっくりもちましょう。「何をするか」から始めると、「だれがいつやるのか」が論点となり、業務の負担として受け止められがち。最初に、一人一人の「どうありたいか」という理想や願いを共有し合うことで、よりポジティブな気持ちで具体的な案を検討できるようになります。